シアニジン

治療薬

シアニジンは、6種あるアントシアニンの一つであり、シアニジンのグリコシドであるシアニジン3-グルコシド(C3G)は、血中グルコースレベルを下げる働きを持つと同時に筋肉とタンパク質の結合を妨害しない(AMP活性化キナーゼの結果)ため、注目を集めています。

概要

シアニジンは、青・黒色の果物(プラムやベリー等)、そしてアントシアニンとして知られる紫の野菜からも見つかる暗色の色素のサブ・カテゴリです。シアニジンはアントシアニンのサブコンポーネントの中で最も医薬的な効果のあるものだとみなされ得ます。というのも、摂取率が最も高く、最も腐食しにくく、そして全てのアントシアニンの中で最も臨床的意義が大きいからです。

シアニジンは細胞に対して様々な効果をもたらしますが、そのほとんどは抗糖尿病効果であり、また「メタボリック・シンドローム」に関連した分野でも多少役立つ可能性があります(抗炎症、抗酸化等)。

但し、シアニジンは吸収の面においていくつかの問題があります。したがって、実際にこれを体内に取り込んだ際に、生体外実験において見られるような効果が望めない可能性もあります。生物学的利用能(吸収できる確率)が懸念であるため、このような理由で介入研究を行うことが重要です。

基礎知識

混同注意
アントシアニン、デルフィにジン

注意事項
・シアニジンに刺激性はありません。
・粉末状或いはカプセル状のシアニジン・サプリを使用する際は、衣類にしみをつけてしまう恐れがあります。グレープ・ジュースが服にしみをつける原因の大半は、アントシアニンです。
・シアニジンは、生体内の生物学的利用能が比較的小さいです。

摂取方法

血糖値を下げることにおいて効果が見られた服用量は、体重1kg当たり150mgです。これは、食事によって達成され得る摂取量を遥かに上回る量です。

食物摂取を通したシアニジン成分服用量がより少ない場合でも、植物の摂取量や全般的な健康状態を含めた様々な相互依存関係により、長期的には効果が見られる、という可能性もあります。但し、シアニジンを含めた因果関係は未だ発見されていません。

また、酵素P450を抑制する(クルクミンがピペリンによって強化されるのと同じ)ことによってシアニジンの生物学的利用能を増大させ、服用量を下げることも可能かもしれません。しかしながら、これの大部分は、未だ実証されていない仮説に過ぎません。

シアニジンについての編集者のコメント

赤や青の野菜や果物を食べることで、予防医療的な効果は得られるでしょう。但し、体格の変化を望むには不十分でしょう。

シアニジン(アントシアニン一般)の活性メカニズムは驚くべきものであり、ムキムキの身体を作りつつ、癌は避ける、という目的のために投薬量が設定されているようにも思われます。但し、見た目の美しさのために補完的にシアニジンを服用することを考えるとコストが大きすぎるように思います。

そうは言っても、アントシアニンの最も興味深い点はその消化吸収にあります。消化吸収はよくはありませんが、様々な要素が影響を与えています。もしこれを向上することができれば、シアニジンは肉体形成のための薬として将来有望でしょう。

-Kurtis Frank

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