不整脈の種類

その他

不整脈には主に4つの種類があり、それらは期外収縮、上室性不整脈、心室性不整脈、そして徐脈性不整脈です。

期外収縮

期外収縮は、最も一般的なタイプの不整脈です。ほとんどの時間は無害であり、症状を起こさないことも、よくあります。

症状が起きると通常、胸がドキドキする様な感じや、鼓動が途切れ途切れになっているよう感じます。ほとんどの場合、期外収縮は特に健康な人にとっては、治療の必要はありません。

心房(心臓の上室)に生じる早期の拍動を、早発性心房収縮(PAC)といいます。心室(心臓の下室)で生じる早期拍動は、早発性心室収縮またはPVCと呼ばれます。

ほとんどの場合、早期拍動は自然に発生します。しかし、心臓病が原因で、発症するケースもあります。また他にもストレス、過度な運動、カフェインやニコチンの過剰摂取が原因となる場合もあります。

上室性不整脈

上室性不整脈は、心房または房室結節で起きる頻脈(心拍数が速いこと)のことを言います。房室結節とは、心房と心室との間に位置する細胞群の事です。

上室性不整脈には、心房細動、心房粗動、発作性上室性頻脈、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群といった種類があります。

心房細動

心房細動は、深刻なタイプの不整脈の中では、もっとも一般的なものです。心房で発生し、非常に速く不規則な収縮を伴います。

心房細動になると、心臓の電気信号が、房室結節ではなく、心房の他の部分や、近くの肺静脈で発生します。

信号は正常に移動せず、急速に、そして無秩序に心房全体に広がります。このことで、心房の壁は正常に鼓動せず、非常に速い痙攣を起こします。結果として心房は、通常通りに心室に血液を送達することができなくなります。

心房細動では、電気信号は毎分300以上の速度で、心房を通過するとされています。これらの異常な信号が、心室も移動し、そのことで心拍を速め、鼓動を不規則なリズムすることがあります。 心房細胞は通常、命に関わるものではありませんが、心室が非常に速く拍動するようになると危険です。

心房粗動

心房粗動は心房細動ににています。心房粗動の場合、心臓の電気信号は、不規則なリズムではなく、心房を通って、迅速かつ規則的に広がります。心房粗動は心房細動に比べ、一般的ではありませが、同様の症状や合併症が見られます。

発作性上室性頻拍

発作性上室性頻拍は非常に速い心拍で、突然起こり、終了します。 心房と心室との間の電気的接続における障害が原因だとされています。
発作性上室性頻拍になると、心房で発生した後心室に移動する電気信号が、心房に再び入り、余分な心拍を引き起こします。

この種類の不整脈は通常危険ではなく、若者に多く見られる傾向があります。また激しい運動中に起こる事もあります。

発作性上室性頻拍の中でも、特別な種類のものは、ウォルフ・ パーキンソン・ ホワイト症候群(WPW症候群)と呼ばれています。 WPW症候群では、心臓の電気信号が、心房から心室への余分な経路に沿って移動します。

この余分な経路によって、心臓の電気信号のタイミングが乱れ、心室が非常に速く拍動する可能性があります。WPW不整脈は、命の危険を伴います。

心室性不整脈

心室性不整脈は、心室で発生する不整脈のことをいいます。非常に危険な状態を引き起こす可能性があり、通常はすぐに治療が必要になります。

心室性不整脈には、心室頻脈や心室細動が含まれます。冠状動脈性心疾患、心臓発作、心筋の弱体化などは、心室性不整脈の原因となる可能性があります。

心室頻脈

心室頻脈は、心室が迅速かつ規則的な鼓動することで、数秒間だけの場合もあれば、もっと長く続くこともあります。

数回の鼓動であれば、問題に至らないことも多くありますが、数秒以上の鼓動が何度も続くと危険です。心室頻脈は、心室細動などの、より深刻な不整脈に発展することがあります。

心室細動

心室細動は、組織化されていない電気信号により、心室が痙攣することで発生します。
心室が血液を体内に送り込こまなくなり、数分以内に心停止を引き起こします。

死に至るのを防ぐためには、除細動という心臓への電気ショックを使って、直ちに治療する必要があります。

心室細動は心臓発作中や心筋梗塞後、他の理由で心臓が弱い人で起こる可能性があります。

トルサード・ド・ポアンツ(Torsades de pointes)は、心電図検査で独特なパターンが現われる心室細動です。特定の医薬品や、血流中のカリウム、カルシウム、マグネシウムの量が不均一な場合、この状態を引き起こす可能性があります。

長期にわたってQT延長症候群にかかっている人は、トルサード・ド・ポアンツのリスクが高くなります。この状態の人は、特定の抗生物質、心臓薬、市販薬の服用に注意する必要があります。

徐脈性不整脈

心拍数が正常よりも遅い場合も、不整脈になります。心拍数が遅すぎると、十分な血液が脳に届かなくなり、失神することもあります。

成人では、心拍数が毎分60回よりも遅いと、徐脈性不整脈とみなされます。一部の人、特に非常に健康体の人は、日常的に心拍数が低いです。このタイプの人にとっては、心拍数が毎分60回を下回っても危険ではなく、症状を引き起こしません。しかし、他の人にとっては、重篤な疾患など原因です。

徐脈性不整脈は以下によって引き起こされる可能性があります:

・心臓発作
・甲状腺機能低下や老化など、心臓の電気の流れを阻害したり、変化させたりする条件
・血液中のカリウムなどの化学物質、また他の物質が不均衡
・ベータブロッカー、カルシウムチャネルブロッカー、一部の抗不整脈薬、ジゴキシンなどの医薬品

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