反社会性パーソナリティー障害

その他

はじめに

パーソナリティー障害とは、患者本人のものの考え方や受け取り方、感情や対人関係などを変化させてしまう心の病です。

反社会性パーソナリティー障害はパーソナリティー障害の中でも特に重いもので、多くの場合犯罪行為となるような、衝動的で無責任な行為を伴う点が大きな特徴です。

反社会性パーソナリティー障害の患者は通常、人を操ったり騙したりするようになり、他人の気持ちを考えずに無謀な行動を取ります。

他のパーソナリティー障害と同様に、反社会性パーソナリティー障害にも個人差があります。時たま良くない行動をするだけの人もいれば、何度も法を破ったり重い罪を犯したりする人もいます。また、サイコパスは重度の反社会性パーソナリティー障害を抱えているとされています。

症状

以下に挙げられているのは、反社会性パーソナリティー障害に見られる症状の一部です。

・他者の権利を悪用、操作、または侵害する
・他者の苦しみに対する懸念や同情、良心の呵責が欠けている
・無責任な行動を取り、正常な社会的行動を無視する
・長期的な関係を維持することが困難
・怒りを抑えることができない
・罪悪感が薄れている、または自分の失敗から何も学ばない
・自分の人生における問題を人のせいにする
・何度も法を破る

反社会性パーソナリティー障害の患者には、子どもの頃に行動障害があった過去があります。不登校や非行、その他の破壊的・攻撃的な行為などが行動障害に含まれます。

どんな人が反社会性パーソナリティー障害になるのか

女性よりも男性の方が反社会性パーソナリティー障害になりやすいです。

反社会性パーソナリティー障害の原因ははっきりとはまだわかってはいませんが、遺伝的な要素と、児童虐待や育児放棄といった幼少期のトラウマ体験などが関係していると考えられています。

反社会性パーソナリティー障害のある人の多くは、複雑な家庭環境で育ってきています。親が酒に溺れていたり、喧嘩が絶えなかったり、理不尽な厳しいしつけを受けたりしています。このような問題があったために、役所のお世話になった人もいるかもしれません。

幼少期にこれらのような困難を経験している人は、思春期と成人期の行動に問題が起きやすいです。

影響

犯罪行為は、反社会性パーソナリティー障害の重要な特徴です。この障害のある人は、高い確率で罪を犯し逮捕されてしまうことになります。

反社会性パーソナリティー障害持ちの男性は、そうでない人よりも3~5倍、酒や薬に溺れやすいということがわかっています。また、命知らずな行動を取ったり、自殺を図ったりすることもあるため、夭逝する可能性も高いです。

また、反社会性パーソナリティー障害の人は、大人になっても対人関係に問題を抱えやすいため、会社をクビになってしまったりホームレスになってしまうこともあります。

診断

反社会性パーソナリティー障害と診断されるためには、15歳までに行動障害があった経験がないといけません。

反社会性パーソナリティー障害の診断は厳格な心理査定を必要とします。診断されるためには、18歳以上であることと、以下の症状のうち三つ以上が当てはまることが条件です。

・何度も法を破る
・自分の利益のために何度も人を騙す
・衝動的に行動する、または先の計画を立てることができない
・短気で攻撃的
・自己や他者の安全のことを考えることができない
・一貫して無責任である
・良心の呵責がない

これらの症状が、統合失調症や躁病エピソードの一貫としてではなく、日頃からの性格に現れないといけません。

通常これらの行動は、10代後半や20代前半をピークに、激しく、厄介になります。40代になる頃には改善していることが多いです。

治療

かつて反社会性パーソナリティー障害は、一生涯続く病気だと思われていましたが、実際には症状を抑制して治療をすることができる場合もあります。共感の欠如といった性格が残ってしまっても、時間をかけて治療をすれば、行動の改善は可能だと示している証拠も存在します。

しかし、反社会性パーソナリティー障害はパーソナリティー障害の中でも最も治療するのが難しいものの一つです。また、患者本人は治療を受ける気が無かったり、裁判で命じられて初めて治療を受けたりする場合もあります。
反社会性パーソナリティー障害の患者が受けるべき治療は本人の状況によって左右されます。これには、患者の年齢や嫌な過去、酒や薬物などで問題があるかどうか、といったことが考慮されます。

治療を決める際に患者の家族や友人が重要な役割を果たすことが多いです。
In some cases, substance misuse services and social care may also need to be involved.

対話療法

認知行動療法(CBT)が反社会性パーソナリティー障害の治療に使われることがあります。これは患者の考え方や行動を変えていくことで病気に対処していくことを目的とした対話療法です。

メンタライジング療法(MBT)も対話療法の一つで、近年は反社会性パーソナリティー障害の治療法として普及してきています。この療法では、患者が自分の考え方や、自分の態度に対する精神状態の影響を見直せるように手助けをします。

治療共同体

反社会性パーソナリティー障害を長期間に及んで治療する方法として、共同体に基づいたプログラムは効果的である、という証拠もが存在します。治療共同体は現在、刑務所でも取り入れられるようになってきています。

治療共同体は社会療法の一種で、患者が自分の感情的・心理的欲求や^に対処できるようになることを目的としています。大小の治療グループに分かれ、その共同体の問題に焦点をあてることで、スタッフと患者の両方が共同体の決定に参加できるような環境を作り出します。教育や職業訓練を受ける機会がある場合もあります。

患者が自分の行動や考え方を変え、身につけたスキルを実際に使う必要があることから、治療の期間は18ヶ月が最適とされています。この種の計画が成功するためには、自発性が重要な要素となります。例えば患者には、共同体の一部として働き、グループに参加し、民主的なプロセスを受け入れる気がないといけません。

薬の服用

反社会性パーソナリティー障害の治療としての薬の有効性はほとんど証明されていないですが、抗精神病薬や抗鬱剤が役立つ場合もあります。

カルバマゼピンとリチウムは攻撃性や衝動性行動などの症状をコントロールするのに役立ち、選択的セロトニン再取り込み阻害薬という抗鬱剤の一種は、怒りや一般的なパーソナリティー障害の症状を改善させることがあります。

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