口腔内潰瘍

原因

腸性先端皮膚炎

腸性先端皮膚炎（生まれつき亜鉛の代謝に障害がある）の絶対的な要因は不明であり、研究が続けられています。しかしながら研究者らは、この病状の発生に遺伝の影響があるのではないかと推測しており、これが常染色体劣性遺伝疾患なのではないかとみています。常染色体とは、非性染色体です。人種間におけるこの病気の罹患率の相違については未だ発見されていません。

口唇潰瘍

口唇潰瘍が発生する原因は知られていませんが、免疫系の問題が関わっているのではないかと考えている専門家もいます。免疫系とは、身体が病気やバクテリア、ウイルス等と闘うための体内システムです。口唇潰瘍は家族内で受け継がれる経口にあるため、このコンディションの再発には遺伝が関わっているのではないかとされています。The American Dental Association (ADA) は疲労、精神的なストレス、不慮に口の内側を噛むこと、ウイルス感染、食物アレルギー反応、歯科医院への通院、月経、などは全て口唇潰瘍を発生しやすい患者がこれに罹患する確率を上昇させる要素だとしています。

単純疱疹（単純ヘルペスウイルス）

単純疱疹は1型の単純ヘルペスウイルスが再活性化することにより引き起こされます。このウイルスは休眠状態、或いは不活性状態から、何らかの引き金によって突然再生産され始め、ヘルペス感染症が発症します。太陽光やその他の紫外線暴露（ブラック・ライトや蛍光灯）は口唇潰瘍を形成する一般的な要因として知られています。風邪や過剰の運動によって身体にストレスがかかると免疫系が弱体化し、口唇ヘルペスが発症する可能性があります。ストレスの一般的な例としては、感染症、発熱、風邪、身体外傷、歯科手術、月経、薬剤の服用（ステロイドを含む）、免疫系を抑圧する病気（ヒト免疫不全ウイルス（HIV）等）、湿疹、過剰な運動、精神的ストレス等があります。

白板症

白板症は歯肉に白色の斑点が形成される病気であり、直接の原因は知られていません。白板症のほとんどのケースにおいて、喫煙が関わっています。白板症を発症する患者のほとんどは喫煙者であり、ほとんどの白板症皮膚障害は禁煙を行って一年ほどで改善されるか消滅します。タバコの口と鼻での吸引もまた発病に関わっているといえます。煙の出ないタイプのタバコ製品の定期的な使用者の4分の3もの人が最終的には白板症（患部はタバコを支える時にタバコが触れる頬の部分）を発症します。喫煙者がサンギナリン（ブラッドロートに含まれる成分）を含有する歯磨き粉を使用することと、白板症の発症の間に関係があるとも考えられています。この他にも、長期的なアルコール濫用、頭部や頸部への化学療法或いは放射線治療、カンジダ・アルビカンス（口腔カンジダ症を引き起こす）、ヒトパピローマウイルス（HPVとも呼ばれる。性器疣贅の元凶。）、歯牙充填や入れ歯の不似合いによる刺激・炎症、唇の日照曝露等も白板症を引き起こす可能性のある要因としてあげられます。

粘膜炎

口腔粘膜炎は、粘膜細胞への直接的な毒作用、或いは骨髄抑制（化学療法や放射線治療によって骨髄機能が低下した状態。赤血球数・白血球数・血小板数が減る。）の結果として起こり得ます。消化管内の粘膜は上皮細胞からなり、この細胞は普通細胞分裂を行い速いペースで複製されます。化学療法や放射線治療は癌細胞を殺すのみならず粘膜細胞をも損傷し、再生を拒んでしまいます。このダメージが結果的に粘膜炎に特有の痛々しい皮膚障害へと繋がります。