認知症と人間関係

その他

認知症が進行するにつれて、あなたの人間関係も確実に変わるでしょう。

もしあなた、もしくはあなたにとって大切な人が認知症になったら、孤立しているように感じやすくなります。活発に動き、刺激を受け続けることができるため、認知症を患っている人にとって、他の人と接触を持ち続けることは大切です。

中には、自分もしくは家族の認知症について話しづらいと感じたり、助けてあげたいけれど何をすれば良いかわからないという人もいます。もし友達や家族があなたと話しづらいと感じていたら、連絡を取り合うようにしましょう。

最初の行動を起こしましょう。自分が今もまだ会いたいと思っていること、それから彼らにできることが何であるかを伝えましょう。認知症患者とその家族が所属する地域のグループに参加するのも良いかもしれません。

もし自分自身が認知症を患っているなら、何が起こっているのかを理解してもらうために、家族や友達にそのことを教えることが重要です。もしこのことが難しければ、医師に頼んで家族に症状のことを伝えてもらうこともできます。こうすれば、症状が進行するにつれて、彼らのことが誰だかわからない時もあるということをより理解してもらえるかもしれません。

認知症を患っている人の家族や友達、世話をしてくれる人

家族もしくは友達として、認知症を患っている人が、請求書の管理や日常的な家事など、以前はできていたことができなくなっていくことに気づくかもしれません。よって、認知症と診断されたら、なるべく早く計画を立て始めることが重要です。

私たちは、要求や好きなこと、嫌いなことを伝えるためには、会話をしなければなりません。認知症のように、自分の考えていることをうまく相手に伝えることができなくなれば、とてもイライラします。イライラは、不機嫌に見える態度へとつながることがあります。そして、もしこのような態度をとることによって認知症患者の意思が通るのであれば、それを何度も繰り返すかもしれません。

もし認知症を患っている人の世話をしているのなら、その人はまだ生きているのに、人が亡くなった後のような悲しみや、誰かを失ったような気持ちになるかもしれません。これは、認知症が致死的な病気(完治することへの合理的な希望もなく、普段するようなことをしなくなってしまう)であること、それとももしかすると認知症を患っている人の性格が変わってしまったことによって起こるかもしれません。

誰しもがこの「予期悲嘆」を感じるわけではありませんが、これを感じる人は、まるでその認知症の人が実際に亡くなったかのような感情や悲しみに襲われます。

認知症のせいで、人間関係や性生活を楽しめなくなるというわけではありません。中には、他の能力は低下してしまっても、親密なままでいられるカップルもいるようです。しかし、認知症は前まであった性的な感情を強めたり弱めたりすることがあるので、このことがあなたもしくはあなたのパートナーにとってつらいかもしれません。

人間関係、認知症、そして在宅看護

介護施設に入ることは、入所する人の年齢や障害の重さにかかわらず、難しい決断です。また、介護施設に入所するということは、守られた環境に入るわけではありますが、このことでその人の普段の人間的な欲求がなくなるわけではありません。

認知症を患っている人が介護施設に入ったら、離れてはいても今までの人間関係は維持しなければなりません。新しい居場所で新しい人間関係も生まれるかもしれません。

身体的でもそうでなくても、パートナーと愛情のある関係を持ち続けたいという願望は、認知症と診断されたり介護施設に入らなければならなくなったりした時に勝手に消えるものではありません。

身体的に親密で性的な関係は、認知症患者が介護施設に入った時に消えないかもしれません。しかし、介護施設には、認知症患者などのような弱い大人を守るという義務があり、スタッフはこれと、充実した感情的な性生活へのカップルの権利のバランスをとらなければなりません。話しづらい内容かもしれませんが、介護施設の経営者とこのことについて話し合わなければならないかもしれません。

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