避妊法にはどのような種類があるでしょうか?
避妊法には、さまざまな種類がありますが、全ての方法が、あらゆる状況に相応しいわけではありません。最適な避妊法は、本人の健康状態、年齢、性的活動の頻度、性行為のパートナーの数、今後、子どもを持ちたいという希望の有無、そして、家族の病歴によって決まります。
長期作用型可逆的避妊法(LARC)
子宮内避妊法
子宮内避妊システム(IUS)としても知られる、避妊リング(IUD)は、避妊のために、子宮内に挿入する、小さなT字型の器具です。これは、医療供給者によって装着されます。避妊リングは、一度装着した後は、子宮内で装着したままとなり、数年間、効果を発揮します。推奨期間が過ぎた場合、もしくは、避妊の必要や希望がなくなった場合、医療供給者によって、器具が取り外されたり、取り替えられたりします。
ホルモン避妊リング、もしくはホルモン子宮内避妊システムは、子宮内にプロゲスチンホルモン(レボノルゲストレル)を放出します。このホルモンが放出されることで、頸管粘液が増加して、精子が卵子に到達する、もしくは受精するのを抑制したり、子宮内膜を薄くして、卵巣が卵子を排出するのを防いだりします。
ホルモン避妊法
短期作用型ホルモン避妊法
ホルモン避妊法では、ホルモンを用いて、排卵をコントロールもしくは停止し、妊娠を防ぎます。排卵とは、卵巣が卵子を放出し、受精できるようにする生物学的プロセスです。ホルモンは、錠剤、注射、皮膚パッチ、経皮性ジェル、膣リング、子宮内避妊システムなど、様々な方法によって、体内に取り入れられます。用いられるホルモンの種類により、効果が異なります。排卵の阻止、頸管粘液の増加を増加させて、精子が卵子に到達するのを妨げる、もしくは、子宮内膜を薄くするという効果が期待されます。ホルモン避妊法は、医療供給者が処方し、管理します。
注入物質、錠剤、パッチ、リングといった、短期作用型ホルモン避妊法は、適切に実施された場合、効果的ですが、一般的な使用方法では、避妊失敗率は7%から9%です。
バリア避妊法
バリア避妊法は、精子が子宮に侵入するのを防ぐように考えられており、取り外しができます。これは、ホルモン避妊法ができない女性に向いているでしょう。バリア避妊法の失敗率は、方法によって異なりますが、一般的に12%~28%です。
医療供給者の診察が必要ではない、バリア避妊法の種類は、以下の通りです。
・男性用コンドーム。これは、ペニスを覆い、精子を集めることで、精子が女性の体内に入るのを防ぐ、さや状の覆いです。男性用コンドームは、ラテックスもしくはポリウレタンで作られているものが多いですが、自然製品による代替を望む場合は、子羊の腸管膜でできた膜を用いることができます。ラテックス、もしくはポリウレタンのコンドームは、性感染病STD蔓延のリスクを減少させます。子羊の膜のコンドームでは、性感染病を予防できません。男性用コンドームは、一度使用したら処分しましょう。
・女性用コンドーム。女性用コンドームは、薄く、しなやかなプラスチックの袋です。精子が子宮に入るのを防ぐため、性交前に、コンドームの一部を女性の膣内に挿入します。女性用コンドームも、性感染病のリスクを減少させます。女性用のコンドームも、使用後は処分しましょう。
・殺精子剤。殺精子剤は、精細胞を殺します。殺精子剤は、単独、もしくは、ペッサリー、または、子宮頸管キャップと組み合わせて使用します。殺精子剤は、避妊のため、性交前30分以内に、子宮付近の膣の内部に挿入し、性交後6~8時間、そのままにしておかなければなりません。殺精子剤では、性感染病を予防できず、アレルギー反応や膣炎を引き起こすことがあります。
医療供給者の診察が必要な避妊法には、以下のようなものがあります。
・ペッサリー。ペッサリーは、ラテックス、もしくは柔らかいゴムでできた、浅く、曲がりやすいキャップで、性交前に膣内に挿入することで、精子が子宮に入るのを阻止します。ペッサリーは、殺精子クリームまたはゼリーと併用しましょう。ペッサリーは、避妊のため、性交後6~8時間、そのままにしなければなりませんが、24時間以内に取り除かなければなりません。従来型のラテックスのペッサリーが、適切に機能するのに良いサイズで、医療供給者に、きちんと合う場所を見つけてもらえます。
ペッサリーは、1、2年後に取り替えなければなりません。また、出産後、骨盤手術後や、15ポンド以上の体重増加または減量があった場合は、新たなペッサリーのために、計測を行う必要があります。
・子宮頸管キャップ。子宮頸管キャップは、ペッサリーと似ていますが、ペッサリーよりも小さく、硬いです。子宮頸管キャップは、精子が子宮に侵入するのを防ぐために、性交前に膣の中に挿入する、薄いシリコンのキャップです。ペッサリー同様、子宮頸管キャップも、殺精子クリームまたはゼリーと併用した方が良いでしょう。このキャップは、避妊のため、性交後、6~8時間、膣内に残さなければなりませんが、48時間以内に取り除く必要があります。子宮頸管キャップには、さまざまなサイズがあるため、医療供給者に、体に合うものを見つけてもらいましょう。適切な手入れをすれば、取替えるまでに2年間使用できます。