リウマチ熱を理解する‐基礎知識

その他

リウマチ熱とは何か

珍しくはありますが、命にかかわる可能性のある病気であるリウマチ熱は、A群レンサ球菌という細菌によって引き起こされたレンサ球菌咽頭炎が、治療を受けずに複雑化したものです。発熱、筋肉痛、腫れて痛い関節、そして場合によっては赤く、格子模様のような発疹などといった主な症状は、一般的に咽頭炎が発症した2~4週間後に始まります。しかし、時には、感染力が弱くて認識できないこともあります。

膝、足首、肘、それから手首は、リウマチ熱によって最も腫れる可能性の高い関節です。痛みは、よく関節から関節へと移ります。しかし、この病気の最大の危険は、心臓へのダメージです。すべてのリウマチ熱患者の半数以上において、リウマチ熱によって心臓の弁が損傷を受け、血液を循環させるために、この生命維持に不可欠な臓器を人一倍働かせています。何ヶ月もしくは何年かの時を経て、この心臓へのダメージはリウマチ性心疾患と呼ばれる深刻な病気へとつながることがあり、それは最終的に心不全の原因となり得ます。

また、リウマチ熱は、以前はダンシングマニアと呼ばれていましたが、現在ではシデナム舞踏病と呼ばれる、一時的な神経系疾患を引き起こすこともあります。これは、すばやく、ぎくしゃくしていて、無意識的な体の動きが、主に体の片側で起こることが特徴の神経病です。軽い舞踏病を患っている人は、集中することや字を書くことが困難かもしれません。さらに深刻な場合は、腕や脚、顔の筋肉が激しく痙攣することもあります。これはまた、筋肉の弱さや感情の爆発とも関連性があります。

抗生物質のおかげで、先進国においてのリウマチ熱は今となっては珍しくなりました。しかしながら、近年では、特にアメリカの貧しい中心市街地で生活している子供の間で復活してきています。この病気は、冬と春先の涼しくて湿気のある気候の時に襲ってきます。アメリカでは、北部の州で最もよく見受けられます。

リウマチ熱の原因は何か

リウマチ熱は、ある特定のA群レンサ球菌に対する炎症反応によって起こります。体は、その細菌と闘うための抗体を生成しますが、抗体は、細菌ではなくその体自身の組織を攻撃してしまいます。抗体は、関節から始まり、たいていは心臓とその周りの組織のほうへと移動します。レンサ球菌性咽頭炎患者のほんの一部(0.3%未満)しかリウマチ熱に感染することはないため、免疫システムの低下などの要因もその病気の発症と関係があるのではないかと、医療専門家は言います。

注意!喉の痛みには気をつけましょう

特に子供の喉の痛みには注意しましょう。もしお子さんが、他の風邪の症状はなく、ひどい喉の痛みだけがあり、熱が101Fを超えている、もしくは軽い喉の痛みが2、3日以上続くことがあれば、医師に診察してもらいましょう。それはレンサ球菌性咽頭炎の可能性があり、その場合は抗生物質で治療する必要があります。

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