リウマチ

その他

診断

リウマチの確定診断は、患者が7つの特定米国気管支リウマチ学会(ACR)基準のうち4つを満たしたときに行うことが可能です。

しかしながら、これらの基準が存在しなくても、臨床的疑問に基づいて暫定的に診断を行うことができます。診断には血液検査やX線の使用は必要ありません。

通常の検査だけで、診断を下すのは間違いです。臨床検査は、症状を評価するにあたって、最も重要な側面です。

リウマチを正確に診断するための検査はありません。リウマチ患者の85%未満において、陽性リウマチ因子が検出されます。

これらの患者は血清陽性と呼ばれています。この試験は多くの患者において陰性であり、ここでは血清反応陰性と呼ばれます。

高レベルのリウマチ因子が見られるからといって、必ずしもリウマチがあるというわけではありませんが、しばしば非関節の徴候を伴う、より重度で進行性の疾患が疑われます。

さらにこの検査は、他の疾患やおよび高齢者において、陽性が見られることあります。リウマチ因子を確認した後は、繰り返しテストする価値はありません。新しい抗体検査である抗CCP抗体は、早期慢性関節リウマチの診断においてより、特異的で有用であることが示されています。

活動性の高い関節リウマチの患者は、しばしば貧血になります。赤血球沈降速度(ESR)は、C反応性タンパク質(CRP)と同様に、活動性の疾患がみられる多くの患者において、増加します。これらの炎症のマーカーは、進行をモニターするために使用することができるので、上昇したときに有用になります。

X線は、症状が早期の場合においては、必ずしも効果的であるとは限らず、関節周囲の軟部組織の腫脹や、関節腔内の流体を主に確認することができます。

しかし、早期の段階で関節縁周辺の骨に侵食が見られる場合は、重症な疾患になる可能性があるため、より積極的な治療を行うことができます。

疾患が進行するにつれて、関節空間の狭小化や、関節縁への損傷を伴う異常が、ますます顕著になります。 X線は、特定の治療における患者の反応に対して、独立した情報を得ることができるため、進行を監視するのには効果的です。

予防

既知の予防策はありません。家族の定期的な血液検査は勧められていません。喫煙はリウマチ発症の危険因子であることが示されており、リウマチに罹患している患者の持続的な喫煙は、症状を悪化する可能性があります。

治療

リウマチは治療可能であり、可能な限り早期に医師の診察をうける必要があると、認識することが重要です。これは医療上の問題であり、リウマチの専門医もいます。

オメガ3やオメガ6などのホメオパシー療法は、痛みや炎症を緩和するのに役立つかもしれませんが、どのように病気に作用をあたえるかを証明する、科学的証拠はありません。

疾患修飾抗リウマチ薬(DMARD)は、リウマチのためのすべての治療の基礎であり、寛解を得るためには、できるだけ早く導入されるべきです。

寛解とは、治療中の関節の痛みや腫れ、炎症が全く見られない状態の事をいいます。

リウマチ治療の目標は次のとおりです。
• 痛みの軽減
• 炎症の軽減
• 早期寛解誘導による疾患のコントロール
• 機能の維持

運動と理学療法

運動や理学療法が効果的だとされています。運動の目的は、関節の炎症を悪化させることなく筋力と関節可動性を維持することです。運動の早期には、副子を使って炎症を起こした関節を固定する必要がありますが、受動的なストレッチによって運動範囲を維持することができます。このことで腫れを抑えることができるので、活動や運動がしやすくなります。

ここで伝えたいのは「 腫れているのであれば休ませて、腫れていなければ動かす」です。

治療

(a)症状緩和と炎症の軽減

こわばりを軽減するために、鎮痛剤、抗炎症剤、NSAIDが使用されることがあります。COX 2選択的抗炎症薬(COXIB)は、胃腸の副作用を抑えることができます。セレブレックス(Celebrex)やプレシージ(Prexige) 、COXIBの安全性プロファイルは、以前のNSAIDに比べ、より優れています。

しなしながら、心血管疾患の患者への使用には、注意が必要です。

(b)疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)

DMARDSによる、早期における積極的治療が不可欠です。これらの薬は、関節破壊やX線損傷を軽減する作用があります。

メトトレキセートは、最も一般的に使用されるDMARDです。化学療法として開発されましたが、リウマチにおいて極めて有効であり、ほとんどの治療プログラムの重要要素を担っています。

抗マラリア薬であるクロロキンや、スルファサラジンは、単独、またはメトトレキセートと組み合わせて一般に使用される、より古い薬であす。レフルノミド(Arava)は、より高価で強力なDMARDであり、メトトレキセートが寛解を起こさない場合によく使用されます。

(c)コルチゾン

コルチゾンは、疾患修飾薬が作用するまでの間、低用量で非常に効果的です。リウマチのすべての側面に対処するために、急速に動作します。しかし、副作用に用量依存性があるため、長期使用はできません。

経口コルチゾンが持続的に必要になるということは、根底にある疾患のコントロールがうまくできていないということ、そしてより積極的なDMARD療法の必要だということを、意味しています。

フレアアップをコントロールするためには、筋肉内や関節内へのコルチゾンの注射が効果的です。疾患が全身性であったり、臓器に関わる生命を脅かす状態の際に限っては、大量に投与する必要があります。その場合、この薬が命を救うことになる場合もあります。

手術

膝や手首のような、単一の大きな関節に持続的な炎症がある場合には、比較的早期の手術が効果的です。
この手術は、滑膜切除術と呼ばれ、長期にわたる症状の軽減をもたらすことができます。

人工関節置換術は、関節に重度の損傷がみられる際に、実施されます。この手術において、最も成功しやすい箇所、腰と膝です。

この手術の目標は、痛みを和らげ、奇形を修正し、機能的改善をもたらすことです。リウマチは主に医学的な問題であり、経験豊富なリウマチ専門医、または医師の治療を受けている患者のための手術である必要があります。

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