中耳感染症(中耳炎)

症状

中耳感染症とは

中耳炎とは、中耳が感染することで炎症を起こし(赤くなって腫れ)、鼓膜の裏に体液が溜まることを言います。

誰でも中耳感染症になり得ますが、6から15ヶ月の幼児が一番なりやすいとされています。

約4人に1人は、10歳になるまでに最低でも一度は中耳感染症になると推定されています。

中耳感染症の症状

多くの場合、中耳感染症(中耳炎)の症状は速く進展し、数日で無くなります。これは急性中耳炎と呼ばれて入れます。症状としては以下のものが挙げられます。

・耳痛
・高熱(発熱)
・吐き気をもよおす
・エネルギー欠乏
・微かな難聴―中耳が体液でいっぱいになる場合、難聴は中耳炎、あるいは滲出性中耳炎を示している可能性があります

場合によっては、鼓膜に穴ができ(鼓膜が破れ)、膿が耳から流れ出てくるかもしれません。そうすると、溜まった体液が鼓膜を圧迫することで引き起こされていた耳の痛みは解消するでしょう。

幼児から見る兆候

赤ちゃんは不快感の原因を言葉で言うことができないので、何が問題なのかわかりにくいかもしれません。耳感染している時に幼児が見せる兆候としては以下のものを含む可能性があります。

・耳を引っ張ったり、強く引いたり、擦ったりする
・興奮気味、食欲不振、睡眠不足である
・咳をしたり、鼻水を垂らしたりする
・下痢である
・小さな音に反応しない、注意を払っていない等、難聴を示す行動をとる
・平衡感覚がおかしい

医師に相談するべき時

大抵の中耳感染症は数日で解消するので、医師に相談に行く必要は無いでしょう。

しかし、もし子供が以下のものに当てはまるならば診察を受けに行きましょう。

・2、3日経っても改善する兆しが見られない
・激しい痛みに苦しんでいる
・膿か体液が耳から流れ出ている―人によっては、慢性化膿性中耳炎になり、症状として痛みを伴わずに何ヶ月も流出し続けます
・合併症を患う可能性を上げる、嚢胞性線維症や先天性心疾患のような他の内在している問題がある

中耳感染症の治療法

大抵の耳感染は3から5日間で解消し、特別な治療は不必要です。必要ならば、痛みや高熱を抑えるためにパラセタモールやイブプロフェンを服用しましょう。

子供に与える鎮痛剤が、年齢に適しているか確認するようにしましょう。

抗生物質は中耳感染症を治療するために普通は使われませんが、症状がずっと続いていたり、特に症状が酷い場合は処方されることがあります。

中耳感染症の要因

大抵の中耳感染症は、風邪のような感染症によって中耳に粘液が溜まり、エウスタキー管(中耳から鼻の後ろまである細い管)が腫れたり詰まったりすることにより引き起こされます。

粘液が正常に流れ出ないので、中耳に感染が広がりやすくなってしまいます。

咽頭扁桃腺(喉の奥にある柔らかい組織)の肥大によってもエウスタキー管が塞がってしまいます。咽頭扁桃腺が継続的に、あるいは頻繁に耳感染を引き起こすならば、取り除くことができます。

特に幼児が中耳感染症になりやすい理由としては、以下のものが挙げられます。

・大人よりも子供の方がエウスタキー管が小さい
・子供の咽頭扁桃腺は大人の咽頭扁桃腺と比べ、相対的に非常に大きなものとなる

また、特定の状況によっても中耳感染症になる可能性は高まることとなります。

・口蓋裂であるー子供の口蓋が割れているという、出生時欠損を持っている
・ダウン症候群であるー典型的にはある程度の学習障害と、独特な身体的特徴を引き起こす、遺伝子疾患

中耳感染症を予防する

中耳感染症を完全に防ぐことはできませんが、子供が中耳感染症になる可能性を下げるためにできることはあります。リスクを下げるためにできることとしては、以下のものがあります。

・定期的な予防接種をしっかりと子供が受けていることを確認しましょう
・子供が煙たい環境にいないようにしましょう(受動喫煙)
・6から12ヶ月以上の歳の幼児には、おしゃぶりを与えないようにしましょう
・仰向けになっている子供に、食事を与えないようにしましょう
・可能であれば、調合乳ではなく、母乳を与えましょう

子供が風邪の子の傍にいないようにし、中耳感染症に繋がるような感染症にかかることを防ぐと良いかもしれません。

更なる問題

中耳感染症の合併症は比較的稀ですが、発症した場合は重大になりかねません。

ほとんどの合併症は、感染が耳の他の部位か頭に拡大することによって引き起こされます。

・耳の裏にある骨(乳様突起炎)
・内耳(内耳炎)
・脳と脊髄を取り囲む保護膜(髄膜炎)

合併症を患った場合、病院ですぐに抗生物質による治療が必要になります。

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