喘息の治療としてのアレルギー注射

その他

アレルギー注射は、アレルギーが原因となる喘息の人に使用される、効果的な治療方法の1つです。抗生物質が感染の治療に有効であるのに対し、アレルギー注射は、免疫治療法と言われるように、喘息そのものを治療する薬ではありません。その代わり、ワクチンの様な作用も持ち合わせています。

喘息のアレルギー注射には、実は、非常に少量のアレルゲンが含まれています。そして、このアレルゲンの量を徐々に増やしていきます。段階を踏んでアレルゲンにさらされることによって、体が耐性を持つ可能性が高くなります。治療がうまくいくと、アレルギー反応が、はるかに軽減されることになります。

アレルギー注射を受けることで、アレルギーの症状を軽減し、喘息の発症を防ぐことができます。アレルギーの発症は、すでに喘息を発症している人にとっても効果があると考えられていますが、これについてはいくつか議論があります。ある研究では、アレルギー注射が、喘息症状の軽減において、吸入ステロイドと同じくらい効果的であることが分かっています。

喘息のアレルギー注射の効果

アレルギー注射を打つ前に、医師はアレルギーテストを行います。このことで、どのアレルゲンが原因になっているかを特定することができます。おそらく、少量のアレルゲンを皮膚の上にこすったり、皮膚の下への注射する、皮膚検査が必要になるでしょう。アレルギーの種類によっては、アレルギー注射ができないものもあります。

原因となっているアレルゲンが特定できたら、次のステップは注射を打つということです。注射の頻度は異なりますが、最初の3〜6ヶ月間は1週間に1〜2回、または最大用量に達するまで週に1〜2回投与することがあります。その後は、2〜4週間ごとにメンテナンスのために注射が必要になる場合があります。このプロセスが3〜5年間続く場合もあります。

アレルギー注射を打つことで、素早く喘息症状が緩和する人もいますが、殆どの場合約1年程度かかるといわれています。中には、アレルギー注射で効果を得られない人もいます。

喘息の治療でアレルギー注射が必要となる人は誰?

アレルギー注射は、誰にとっても適しているわけではありません。喘息が制御不能である場合や、心疾患などの他の病状にある人には、安全でない可能性があります。また、ベータ遮断薬などの特定の薬を摂取している場合も同様です。喘息の治療を目としたアレルギー注射は、5歳未満の子供には使用されません。
アレルギー注射は、以下の人が対象になるとされています。

・喘息薬を使用したり、喘息のトリガーを減らしても、症状がうまく制御できていない
・喘息のトリガーを避けることができない
・年中症状がある
・何ヶ月も何年も、献身的に治療を続けている。
・気管支拡張薬など、特定の喘息薬を摂取できない、または使用したくない

喘息の治療にアレルギー注射を受けることのリスク

アレルギー注射にはリスクが伴います。最も一般的な副作用は、注射した部分の赤みや腫脹です。より深刻な副作用としては、非常にまれなケースですが、アナフィラキシーショックを起こし、死にいたる可能性さえあります。そのため、アレルギー注射を行う場合は常に、喘息の緊急事態が発生した場合に、拒絶反応をコントロールできる専門家のもと行う必要があります。注射してから約30分間観察を続けて、悪影響がないかどうか観察する場合もあります。

また現在可能な有望な選択肢として、舌下免疫療法または「SLIT」と呼ばれる治療法もあります。この方法では、注射の代わりに、薬を舌の下にたらします。あなたがSLITの候補者であるかどうか、医師に相談してください。

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