臨床的うつ病の治療法
うつ病の治療は、セルフヘルプ、治療、薬剤による治療の複合で行われることが多いです。
患者のうつ病の種類に基づき、勧められる治療法は変わってきます。
軽度のうつ病
軽度のうつ病がある場合、以下の治療法が勧められることが多いです。
・経過観察
軽度のうつ病と診断された場合、自然に改善することがあります。この場合、進度の経過観察をするために、約2週間後に医師の診察を受けることが多いでしょうです。これは、経過観察として知られている方法です。
・運動をする
運動はうつ病に効果があることが報告されており、軽度のうつ病の主要な治療の一つとして用いられるものです。運動治療計画のため、フィットネス・トレーナーが紹介されることがあります。トレーナーから運動の開始について、またうつ病のための運動について説明を受けます。
・自助グループ
自分の気持ちを話すことは治療に役立ちます。友人や家族に話をしてもよいですし、または医師に地域の自助グループでよいところはないか聞いてもよいでしょう。うつ病の自助グループについて、もっと知りましょう。医師はセルフヘルプについて書かれた本、認知行動療法についてのオンラインコンテンツなどを勧めてくれるかもしれません。
軽度から中度のうつ病
軽度から中度のうつ病がある場合、以下の治療法が勧められることが多いようです。
・トークセラピー(会話療法)
軽度のうつ病が改善しない場合、もしくは軽度のうつ病である場合、医師はトークセラピー(心理療法の一種)を勧めるかもしれません。うつ病のトークセラピーには、認知行動療法やカウンセリングなど様々な種類があります。医師は治療法としてトークセラピーを紹介するかもしれません。
中度から重度のうつ病
中度から重度のうつ病である場合、以下のような治療が勧められます。
・抗うつ剤
抗うつ剤はうつ病の症状を治療する錠剤です。30種類の抗うつ剤があります。通常は中度もしくは重度のうつ病の治療のために、医師によって処方される必要があります。
・併用療法
特にうつ病が重度の場合に、医師はトークセラピーに加えて抗うつ剤を併用することを勧める場合があります。抗うつ剤と認知行動療法の併用は、一つの療法のみを用いた場合と比較して、通常よく効きます。
・精神科における多職種チーム医療
重度のうつ病である場合、心理学者、精神科医、看護師、作業療法士などで構成される精神科における多職種チームに紹介されることがあります。このようなチームは、集中的専門家トークセラピーを行うと同時に、薬剤による治療も行います。
認知行動療法
認知行動療法は、自分の思っていることや行動がどのように自分に影響を与えているかについて理解をすることを目的としているものです。
認知行動療法は、過去に起こった出来事がどのように患者に影響していたのかについて認識しますが、現在の患者の考え、感情、行動をどのように変えることができるのかについて注目しているものです。
これにより、どうしたらマイナス思考を転換できるのかについて教えてくれます。例えば、絶望感を克服することができるようにします。
カウンセリング
カウンセリングは、人生の中で経験する問題について、患者がどのように考えていくかについて役立てることができる療法の一つです。これにより、問題にどう対処するかについて新しい方法を探すことができます。カウンセラーは問題に対する解決法を探すことは手伝いますが、患者がどうすればよいのかについては何もいいません。
カウンセリングは、通常健康な人に対して行われることが理想的ですが、怒り、恋愛問題、近親者との死別、解雇、不妊、重度の病気など、現在面している問題に対処するために助けを必要としている場合に行われるものです。
抗うつ剤
抗うつ剤は、うつ病の症状を治療する薬剤です。約30種類の薬剤があります。
中度から重度のうつ病の人は、抗うつ剤で改善することが多いのですが、必ずしも全員ではありません。ある抗うつ剤は効き目があっても、他の抗うつ剤は効き目がなかったり、自分に効き目のある抗うつ剤を見つけるまでに2つ以上を試さなければならない場合もあります。
異なる種類の抗うつ剤を併用することがあります。しかし、異なった治療法と患者によって、出る副作用は様々です。
抗うつ剤を摂取し始める時、毎週、または2週間に1回、もしくは最低でも4週間に1回、どれぐらい効き目があるのかを評価するために医師の診察を受ける必要があります。効き目がある場合は、症状が和らぐまで最低でも4-6ヶ月、同量を摂取し続ける必要があります。
過去にうつ病にかかったことがある場合、5年以上抗うつ剤を続けて摂取する必要がある場合があります。
抗うつ剤は常習性があるものではありませんが、突然止めたり、摂取し忘れた時に、離脱症状がでることがあります。