偏平足とは

その他

はじめに

偏平足の人の足は土踏まずが低い、もしくは全く無く、地面に対してほぼ完全に平らになります。

土踏まずとは足の中央部分で、直立している時に他の足の部分は地面に接しているのに対し、通常土踏まずは地面から離れています。

幼児の頃は足に乳児脂肪があり、組織もまだ柔らかいので、土踏まずがありません。土踏まずは、年をとるにつれて発達し現れます。

しかし、一部の人には時が経っても土踏まずが現れません。その場合、親から偏平足が遺伝している可能性があります。

偏平足になったら

通常、偏平足になっても困ることはほとんどありません。偏平足持ちの人の多くは特に問題を抱えておらず、治療の必要もありません。

しかし、偏平足は時に以下のような問題を伴います。

・足、足首、下肢、膝、腰、下背の痛み
・足の過度な回内(オーバープロネーション)。これにより靴が摩耗しやすくなり、怪我にも繋がります。
・足の中や周囲の骨、筋肉、結合組織の基礎疾患(下記参照)

これらの問題がある場合は治療を受けることをお勧めします。

医師の診察を受けるべきか

偏平足持ちで、以下の症状があれば医師に診てもらいましょう。

・自分の足に合った、しっかりとした靴を履いているのに足が痛む
・靴がすぐに摩耗してしまう
・足が平らになっていくように見える
・足が脆い、麻痺している、動かしにくい

医師は足を検査し、役立つ治療について助言してくれるでしょう。また、必要であれば、さらに可能な治療を検討するために、足病医(足の問題の専門家)や整形外科医を紹介してくれます。

偏平足の原因

  
 
多くの偏平足は遺伝によるものです。

しかし時折、偏平足は以下のような原因によって生じます。

・足の骨が子宮内で正しく形成されない
・エーラス・ダンロス症候群や関節過度可動性症候群のように身体全体を通して結合組織が緩い
・脳性麻痺、脊髄破裂、筋ジストロフィーなどの、筋肉や神経に影響を及ぼす病気
・足の結合組織が引き伸ばされ炎症を起こしている。主な原因として、足の酷使、不安定な履物の使用、怪我、加齢、肥満、関節リウマチなどが考えられます。

偏平足の治療

偏平足は、痛みやオーバープロネーション、基礎疾患を伴う場合にのみ治療が必要となります。

手術以外の治療法が先に勧められることが多いですが、一部の症例では手術が必要な場合もあります。

手術以外の治療法

医師や足病医は以下のようなことを推奨します。

・自分の足に合い、しっかり足を支えてくれる靴を使用する
・足を支え、回内しないようにする特別なインソール(矯正具)を靴に着用する
・足に不快感がある場合は、鎮痛剤を飲む
・太りすぎなら、減量する
・下肢の筋肉や結合組織を伸ばして、足が回内するのを防ぐ。理学療法士から効果的な運動を教わることもできます。

これらの治療は足の形を変えるものではないですが、偏平足に伴う問題を解決してくれるでしょう。

これらの治療の効果がない場合は、手術を検討するために整形外科医を紹介されることがあります。

手術による治療

通常、上記の治療の効果がない場合、もしくは、足に異常に発達してしまった骨があるなど、手術で治せる基礎疾患がある場合にのみ、手術が検討されます。

偏平足になった原因に応じて、外科手術の内容が変わります。

例えば、形や結合に異常がある骨はまっすぐにしたり分離させたりする必要がありますが、結合組織の異常が原因の偏平足は、それらの組織を延長したり修復したりすることで治療できます。

外科医が自分に必要な手術とその内容を話してくれるでしょう。

関連記事一覧