うつからの回復 概観

その他

うつから回復することは簡単ではありません。最も難しいことの1つは、患者は何を期待すればいいのか全く分からない、ということです。

うつからの回復は怪我の治癒とは違います。腕を負傷したら、医師は回復のために特効薬を処方することができるでしょう。医師は何週間包帯が必要で、いつ頃治るかを、少なくともざっくりと患者に伝えることができます。

残念ながら、うつはそうではありません。人によって回復は異なります。数週間、あるいは数ヶ月で回復する人もいます。しかし人によっては、うつは長期的な病気なのです。うつを発症した人のうち約20~30%は、症状が完全にはなくならないのです。

自分の感覚を理解するのにも困難を伴うかもしれません。治療を受ける前、長期にわたってうつを患っていると、普通に感じるということがどんな風か覚えていないかもしれません。

自分は一人ではない、ということを知っておきましょう。アメリカの国立精神衛生研究所によると、約1900万人のアメリカ人が現在うつを患いながら生活しているといいます。そして治療は効くのです。アメリカの国立精神衛生協会は、治療を受けた人の80%以上が治療が役に立ったと言っているとしています。治療を最後までやり通せば、気分が良くなる可能性は上がります。

再燃のリスクに気をつけましょう

人生においてうつに1回しかならない人もいますが、他の人々は何度もうつになります。アメリカ精神医学会によれば、1度主要なうつになったことのある人のうち最低でも50%は2回目も発症する見込みがあるのです。そして2回うつを発症した人の約80%は3度目も経験するのです。

これらは恐ろしい統計のように見えるかもしれません。今すぐには、うつを再び克服する気にはならないかもしれません。

しかし、うつは残りの人生に影を落とすものではありません。注意が必要なだけです。今やうつから立ち直っていくわけですから、患者は価値ある情報を持っているのです。患者はうつの兆候を知っています。患者は人生における、傷つきやすくなる時を知っています。次の時には、すぐに助けを得てより早く回復できるでしょう。

再び良い気分になる要求

深刻なうつを経験したなら、再び気分がよくなっただけで安心するかもしれません。幸せではないかもしれませんが、ベッドを出て仕事に向かうことができる事を感謝するでしょう。

しかし、それでは十分ではありません。惨めさが軽減されるだけでは不十分なのです。患者にはかつてと同じくらい良い気分になる資格があります。現在の治療でそうならないのであれば、できる限り症状がよくなるように、何でもする必要があります。セラピー、薬、ライフスタイルの変更など、うつの治療に役立つ方法には様々なものがあります。

単に気分が大丈夫であるという状態に止まらないようにしましょう。患者と医師が協力する必要があります。いくらかの努力と良い治療で、再び本当に気分を良くすることが可能なのです。

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