ドライアイについて

その他

ドライアイの人の多くは、燃えるような痛み、痒み、ヒリヒリした感覚を目に覚え、しかも日が経つにつれて悪化していったことがあるでしょう。他にも充血、掻き毟りたくなる感覚、過度な涙、まばたきで解消される視界のぼやけ等が、ドライアイの症状として挙げられます。また、光に敏感にもなってしまうかもしれません。

ドライアイとは、主に左右どちらの目にも症状が現れる、さほど珍しくない病気です。ドライアイは、妊娠中の女性、更年期を経た女性、高齢者の方がよくなりやすいです。65歳以上の人の内、60%以上が、程度の差はあれど、ドライアイの経験があるとされています。

涙液の量(体積)と質(化学成分)が変化したときに、人はドライアイを発症すると言います。

目の涙液層は三つの層で構成され、それぞれの層にそれぞれの役割りが存在します。

・油層:涙液層の一番外側を構成しています。ここの役割りは、涙の表面を覆い、涙が蒸発するのを防ぐことです。

・水層:私たちが涙と聞いて想像する、ほとんどの部分はここで作られています。中間部分に位置するこの層は、目を洗浄し、外からの微粒子や刺激物を洗い流す役割りを担っています。

・ムチン層:三層の中で一番内側の層になります。この層は、水層が均一に広がり、目の表面にしっかりと付着することを可能にしています。ムチン層なくしては、涙は目に張り付いていられないでしょう。

涙をゆっくりと安定して生成することによって、目は常に清潔な状態でいられます。目が適切に潤され、心地よい状態を保つには、涙液層の三層全てが絶妙なバランスを維持する必要があります。

ドライアイによって大量の涙が流れることもあるというのは、矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、目の不快感への反応だと考えてください。涙を目の上に維持する役割りを持つ油層とムチン層、二層の内どちらかでもバランスが崩れると、目は乾燥し、炎症を起こしてしまいます。目が炎症することで、涙腺は大量の涙を出すよう促され、通常の排水ペースを超えて、溢れてしまうのです。

ドライアイの原因

・生成される涙の減少

涙の減少は、一般的な加齢、関節リウマチ、シェーグレン症候群等の自己免疫疾患や、または糖尿病、長期に渡るコンタクトレズの着用、目の手術、三叉神経損傷、特定のウイルス等、目の表面の感覚を減少させてしまうような要因が原因で起こることがあります。

ビタミンAや必須脂肪酸の欠乏や、抗ヒスタミン剤、充血除去剤、経口避妊薬、抗鬱剤、血圧を下げるための薬等の薬によっても、涙の量が減ることもあります。

・涙の蒸発量の増加

甲状腺眼症や、ただ単に目が大きいことによって起こることがあります。水分が蒸発する量は、表面積の大きさと直接的に比例するため、空気に晒される目の表面積が大きければ大きいほど、涙の蒸発率は大きくなります。

長期に渡るまぶたの炎症(眼瞼炎と呼ばれます)は、まぶたの皮脂腺の機能を停滞させることがあります。これらの皮脂腺から生成された皮脂には、涙液層を覆い、蒸発を防ぐ働きがあるため、皮脂腺の機能が停滞することは、重大な問題です。

まばたきをすることで、目の潤いをある程度保つことができます。しかし、コンピュータに向かって作業をしているとき、人のまばたきの回数は、通常時と比べて5倍少なくなります。作業場所にエアコンを導入することも、さらに涙の蒸発を促すことになり、ドライアイのリスクが高まるでしょう。

自分でできる手当て

・頻繁にまばたきをするように心がけましょう。

・涙が出てきたり、目が乾燥してしまう症状が一時的なものである場合、市販の人工涙液を試してみましょう。このような目薬は、目の動きをスムーズにしてくれ、副作用がなく、必要に応じて何度でも使うことができます。充血を軽減するために一般の目薬を使わないようにしましょう。中には、逆に目を乾燥させてしまう目薬もあります。

・温かいタオル等を使用した温湿布を貼ったり、まつげをきれいにすることで塞がれていた腺を開き、健康的な涙液層の生成を可能にします。

・必須脂肪酸(オメガ3、6、7、9脂肪酸等)を食事に取り入れることは、炎症を抑えるのに良いだけでなく、例えば関節リウマチ、眼瞼炎、シェーグレン症候群で涙の生成量の減少を引き起こす、涙腺の炎症にも良いとされています。さらに、まぶたの皮脂腺で、涙を覆う皮脂のコーティングを生成する際、先ほど紹介した必須脂肪酸と同じものが使われていることもわかっています。

・ビタミンAには、健康的な粘膜の形成や維持を助ける作用があるため、涙液層の生成に役立ってくれます。

当てはまる場合、検眼医や医師に診てもらいましょう

・目に深刻な不快感や痒みがある。

・朝起きたときにまぶたが開かない。抗生物質が必要かもしれません。

・数日目薬を使用した後、効果がなくなってしまった。小さな栓(涙点プラグと呼ばれます)を目の端に差し込み、涙の排水ペースを遅くする必要があるかもしれません。

・数週間以上症状が続いている。ドライアイが、他の病気の症状として現れているのではないか、医師が検査する必要があるかもしれません。

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