トリメチルグリシン

その他

概要

トリメチルグリシン(TMG)は、構造的に、3つのメチル基が結合したアミノ酸グリシンである分子です。

「ベタイン」分子として知られていますが、食物のベタインとして始めて発見されたため、またベタインとして表記される最も一般的な分子であるため、「トリメチルグリシン」および「ベタイン」のどちらもが使用されます。

ベタインの主な機構は、メチル基供与体としての仕様,または葉酸の活性分子であり、これらの2つは、メチル基を身体の他の部分に寄与することができます。

そのためベタインの補給は、全身メチル化に間接的に作用をし、ホモシステインの減少を直接的に働く可能性があります。

他の主要な機構としては、ベタインがオスモライトや細胞の水分状態に影響を及ぼすことから、細胞内外に移動する分子であるということです。クレアチンと同様に、ベタインの細胞内濃度の増加は、細胞水和やストレッサーからの回復力を促進します。

現時点で、人間の臨床実験での証拠をみると、3g以上のベタインを毎日服用することで、ホモシステイン濃度を低下させるのに効果的で、信頼性が高いと考えらています。

ベタインの単回投与はホモシステインレベルを低下させ、補給が継続される限りは、抑制されたままになります。

ベタインは、ホモシステインレベルが正常レベルの人では10%、ホモシステインレベルが高い人では20-40%減少することが判明しています。

ホモシステインは、心臓血管の健康問題がある人において上昇することが知られており、心血管合併症のバイオマーカーです。

しかし、相関関係は因果関係を示すものではないため、ホモシステインが単に問題の指標(バイオマーカー)であるのか、実際に心血管機能障害を促進するのかは明らかにはなっていません。

ホモシステインの減少は心臓の保護作用になると考えられていますが、ヒトのベタイン補給と心血管保護との間の直接的な関連性は、未だ確立されていません。

現時点では、地域によって証拠が少し異なりますが、ベタインは高用量で摂取すると脂肪肝や関連する肝線維症を治療する役割を担っている可能性があります

ベタインは、脂肪肝および関連する肝線維症を治療する役割を担っている可能性があります(これまでのところ、高用量(毎日20g)で服用した場合。

最後に、ベタインは、運動能力を向上させる化合物として推奨されていますが、非常に信頼性に欠ける結果があります。

1.25gを1日2回で服用した場合、ベタインは時折、パワー出力の増加と運動量および耐久性の軽微な増加がみられるとされています

全体的な効果の大きさや、被験者が受けるベタインの効果は非常に小さいようであり、現時点でベタインの補給におけるすべての研究は、ベタインの生産者であるDaniscoに関係があります。

トリメルグリシンの身体的な運動への効果は、たとえあったとしても、以下の理由から実際的にはほとんどない可能性があります。

・血清ベタインは、コリン補給1gの場合と、同様にベタイン1gと同様の程度まで上昇し、後者は中枢作用(脳関連)効果があり、安価である可能性があります

・物理的性能(細胞を保護するオスモライト作用)に観察される利点に最も合う理論は、前述のようにコリンで繰り返すことができるだけでなく、クレアチンの作用機序である。その組み合わせを評価するための、単独の研究では、クレアチンの利点に対するベタインの相加効果を見出すことができませんでした。

基礎知識

混同注意

グリシン、L-リジン、コリン

注意事項

・多量のベタインの補給が、息や体臭の嫌な匂いの原因となっている場合(トリメチルアミンの生成による)、リボフラビン(1日2回100mg)の補給は、臭気を排除する可能性があります。

塩酸塩としてのトリメチルグリシン(ベタインHClとして市販されている)は、経口で十分に高い用量の摂取すると、胃酸の産生の刺激に関連していると考えられており、胸焼の原因となります。

注意事項

・塩酸塩としてのトリメチルグリシン(ベタインHClとして市販されている)は、胃酸の産生を刺激することに関連すると考えられる、十分に高い経口用量で胸焼けを引き起こす可能性がある

摂取方法

最も低いベタインの有効摂取量は、1日を通して500mgです。

1日500mgは、ホモシステインの減少を最小限に抑えるための用量であり、健康維持に効果的である可能性があり、1,000mgまでの投与量は、最小限の活性の範囲内にあるように思えますが、食物消費によっても得られる可能性があります。

栄養補給のために使用される標準的な用量は、毎日2回に分けて2,500〜6,000mgであり、食事と共に摂取する必要はありません。この用量は、ホモシステインを確実に減少させる範囲であり、物理的性能に対する利益が認められたものです。

肝臓脂肪と線維症に関する研究、また対象が6gの用量に耐性を持っている場合でのホモシステイン減少に関するいくつかの臨床的状況において、用量は1日20gまで増えることがあります。

編集者のトリメチルグリシンについてのコメント

物理的性能に関して、現在、ベタインが物理的性能の増加を見積もる際に最も正しいと思われる理論は、細胞が容易に損傷されず、細胞が通常損傷を受ける期間に、より良好に機能する浸透圧の理論です。
この場合、クレアチンもまたこの性質を有し、ベタインの浸透圧の潜在的可能性を取り除くのに十分なほど強力であるため、クレアチンとベタインの同時摂取について、研究を行う必要がありません。さらに、クレアチンは信頼できますが、ベタインは信頼できません。

-Kurtis Frank

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