避妊リング(IUD)について

精子が卵子に到達すると、女性は妊娠します。避妊とは、精子と卵子が一緒にならないようにしたり、または卵子が産生されないようにすることです。避妊方法の一つは、避妊リング(IUD)です。
避妊リングは、小さなT字型のプラスチックや銅でできた器具で、医師によって子宮に挿入されるものです。
避妊リングは、精子と卵子が子宮内や卵管内で生き延びれないようにするように作用するものです。受精卵が子宮に着床することも防ぐものです。
避妊リングは、長期作用型可逆的避妊法(LARC)です。これは1度子宮内に挿入されると、毎日、または毎回セックスのたびに避妊を考える必要はなくなります。避妊リングの種類や大きさは数種類あります。
避妊リングはどのように作用するのか
どのように妊娠を防ぐのか
避妊リングは子宮内避妊システム(IUS)と同様のものですが、その作用は違っています。子宮内避妊システムのように、ホルモンであるプロゲストゲンを放出する代わりに、銅付加避妊リングは銅を放出します。銅は子宮内と卵管内の液体の構成を変え、精子が生き続けられないようにします。避妊リングは受精卵が子宮内に着床することを防ぐことができます。
避妊リングの種類と大きさは種類があるため、色々な女性に合わせることができます。産婦人科の医師によって、避妊リングはフィッティングをしてもらう必要があります。
避妊リングはその種類によって、5-10年子宮に挿入しておくことができます。もし挿入時に40歳以上であれば、閉経に達するまで、または避妊が必要でなくなるまでそのまま置いておくことができます。
避妊リングの挿入をするには
避妊リングは妊娠していない限り、生理周期のどこででも挿入することが可能です。すぐに避妊の効果があります。
避妊リングを挿入する前に、子宮のサイズと位置を測るために、内診をする必要があります。これは避妊リングが正しい位置に挿入することができるようにするために行われます。
性感染症にかかっていないかについて、検査もします。この検査は避妊リングが挿入されるまでに行うことが望ましく、挿入前に必要な場合治療を行うことができます。避妊リングを挿入するのと同時に抗生物質を処方されることもあります。
避妊リングを挿入するまでに15-20分程度かかります。子宮頸がん検査と同じように、腟は開いたままで、避妊リングは頸部を通じて子宮内に挿入されます。
挿入は不快で時には痛みを感じることもあります。挿入後に痛みを感じることもあります。局所麻酔を打ってもらうように医師に頼むか、痛み止めを挿入前に飲むようにすることができます。局所麻酔自体が痛みがありますので、多くの人が打たずに挿入しています。
避妊リングが挿入されてから数日間は痛みや出血があるかもしれません。事前に医師や看護師と話あっておきましょう。
3-6週間後、医師が避妊リングの状態を確認する必要があります。この最初の検査の前後になにか問題があったり、避妊リングを取り出したい場合は、医師や看護師に相談しましょう。
自分やパートナーが性感染症の疑いがある場合は、医師に相談しましょう。性感染症が骨盤内感染症の原因となる可能性があるためです。
以下のような症状がみられたら、かかりつけ医や避妊リングを挿入したクリニックで受診しましょう。
・下腹部に痛みがある
・高熱が出る
・腟分泌物が悪臭がする
こうした症状がある場合、感染している場合があります。
避妊リングを外す場合
いつでも避妊リングは医師によって取り出すことができます。
別の避妊リングを挿入する予定がなく、妊娠を望まない場合、避妊リングを取り外す7日前から、コンドームを使うなどの別の避妊方法を使いましょう。これによって、精子が子宮に入らないようにすることができます。精子は体内で7日間生存することができ、避妊リングを取り出せばすぐ妊娠が可能な体になります。
避妊リングを取り出したら、通常の受胎能力が戻ってきます。
避妊リングを使うことができる人とは
多くの女性が避妊リングを使うことができます。妊娠したことがない女性でも、HIV陽性の人でも使えます。病歴を尋ね、避妊リングが最も適した避妊方法であるかどうかについて、医師や看護師は確認します。
以下のようなことがあれば、避妊リングをしようすべきではありません。
・治療をしていない性感染症や骨盤内感染症がある場合
・子宮や頸部に問題がある場合
・腟から理由のわからない出血をしている場合。例えば、生理と生理の間の期間やセックス後の出血。
子宮外妊娠の経験がある女性や、最近中絶をした女性、人工心臓弁がある女性は、避妊リングを挿入する前に医師に相談をすべきです。
すでに妊娠している、または自分やパートナーが性感染症のリスクの可能性がある場合には、避妊リングを挿入すべきではありません。自分やパートナーが性感染症についてはっきりわからないようであれば、婦人科等で検査を受けましょう。
出産後に避妊リングを使用する場合
通常、経腟分娩であっても帝王切開であっても、出産後4-6週後以降に避妊リングを挿入することができます。避妊リングを挿入するまで、出産後3週間(21日間)は他の避妊方法を使うようにしましょう。場合によっては、出産後48時間の間に挿入ができる避妊リングもあります。母乳育児の間の使用も安全で、授乳には影響を与えません。
避妊リングを使用することのメリットとデメリット
避妊リングは避妊の効果的な方法とはいえ、避妊リングを挿入する前に考えておかなければいけないことがあります。
避妊リングを使用することのメリット
・妊娠したことがない女性も含め、多くの女性が避妊リングを使うことができる
・1度避妊リングが挿入されれば、すぐに効果が現れ、取り出すまで最大10年効果が続く
・セックスの妨げにはならない
・母乳育児をしている間も使うことができる
・避妊リングを取り出せばすぐに受胎能力が通常に回復する
・他の薬剤による影響を受けない
避妊リングを使うことで、子宮がん、頸がん、卵巣がんのリスクが高まるという証拠はありません。感情の起伏の変化や性欲の変化がでる人もいますが、こうした変化は非常に少しです。避妊リングを使うことで体重が増加するという証拠はありません。
避妊リングを使用することのデメリット
・生理期間が長くなる、痛みが強くなるなど、生理が重くなることがあります。この症状は数ヶ月で改善します。
・避妊リングは性感染症を防ぐことはできないため、コンドームも使用したほうがよいでしょう。避妊リングを使用している間に性感染症に罹った場合、治療をしなければ骨盤内感染症になる場合があります。
・避妊リングの使用を止めることの理由として多いのは、腟からの出血や痛みがでることです。
避妊リングのリスク
避妊リングを使用した後、合併症が起こることは非常に稀です。ほとんどが使用開始後1年以内に症状が現れます。
子宮への損傷
1,000件に1件以下の割合で、挿入時に避妊リングが子宮や頸部を穿孔することがあります。これは下腹部の痛みの原因となりますが、通常は他に何の症状の原因にもなりません。避妊リングを挿入する医師が経験豊富である場合、こうしたことが起こるリスクは非常に低いでしょう。
穿孔が起きた場合、避妊リングを取り外す手術をする必要があります。避妊リングを挿入した後にひどくお腹が痛んだら、すぐに医師に連絡をしましょう。穿孔はすぐに治療する必要があります。
骨盤内感染は、避妊リングを挿入してから最初の20日で起こることがあります。感染のリスクは非常に低いです。性感染症のリスクが低い女性100人のうちの1人以下が骨盤内感染症に罹る可能性があります。
避妊リングの滑落
時々、避妊リングが子宮から滑落したり、位置がずれることがあります。これは挿入してからすぐに起こることが多いですが、よく起きるわけではありません。医師や看護師は避妊リングが正しい位置にあることのチェック方法を教えてくれます。
子宮外妊娠
避妊リングが外れて妊娠した場合で、妊娠の継続を望む場合は、避妊リングはできるだけ早く取り出す必要があります。避妊リングを使用している間に妊娠した場合に、子宮外妊娠となるリスクは少しあります。