カフェイン離脱は精神障害か?

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研究者たちは、カフェインの離脱は今や精神障害に分類されるべきだと言っています。

約170年間の研究を分析した新しい研究では、カフェインの離脱症状がある人には、精神障害として分類する基準となる身体的症状と、日常生活への中断が十分にみられるため、カフェイン離脱は、非常に現実的なものだと結論付けています。

研究者たちは、精神障害のバイブルと言われている、精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)の次の版にカフェイン離脱が含まれるべきであると示唆しています。

ジョンズ・ホプキンス・スクールの精神医学・神経科学教授であるローランド・グリフィス博士は、「だからと言って、みんながみんな心配すべきではないと思います。」と語ります。カフェイン離脱症状は現実に起こり、症状のある人、通常の摂取量を得られないときには、さまざまな禁断症状を患う可能性があるということです。」

“Psychopharmacology”の10月号に掲載された彼の研究では、カフェイン離脱の影響に関する過去の66件の研究を分析しています。

コーヒーがお膳立てをする

グリフィス博士の分析によれば、わずか1杯のコーヒーであっても、中毒を引き起こし、カフェイン離脱にすることで、人によっては、5つのクラスターのいずれかを経験する可能性があることが示唆されています。

・頭痛
最も一般的な症状であり、カフェイン離脱になる人の半数以上に影響するとされています
・疲労や眠気
・「不幸」な気分、うつ病、過敏症
・集中に難を抱える
・吐き気、嘔吐、筋肉の痛み、体のこりなど、風邪の時のような症状

「これらの症状の発症は、典型的には、カフェインを断ってから12~24時間以内に起こり、1~2日後にピークを迎える」とグリフィス博士は言います。「期間は2〜9日です。」

グリフィスの分析における新たな発見は、カフェイン離脱を現在の「より多くの研究が必要」状態から「障害」状態に、更新するものになるかもしれません。これらの離脱症状は、約8人に1人にとって、毎日の生活に支障をきたすほど、重いものになっています。

「離脱症状は軽度にも、重症にもなる可能性がありますが、13%の人が症状が顕著にあわられ、通常どおりに生活することができなくなっています。 働くことはおろか、家を出ることすらできなくなっているのです」と彼はいいます。

カフェイン離脱はただの症状ではなく、障害

このことは、DSMに加えるにあたって、重要なことです、と、バーモント大学の精神科医兼中毒専門医であるジョン・ヒューズ医師は語ります。

ヒューズ氏は、「カフェイン離脱はDSM-IV(現行版のDSM)で提案されたましたが、主に、臨床的意義を示す良好なデータがないという理由で、障害として定義することに対して反対を受けました。」と言います。ヒューズ氏は、グリフィス氏の研究には関わっていません。「症状が出るだけでなく、その症状が日々の機能を妨げていることを示す必要があります。」

ヒューズ氏によると、American Universityの研究者Laura Juliano博士(PhD)による共同研究が、これを行ったとのことです。 「研究では、カフェイン撤退の影響が一貫していること、いくつかの非常に重い症状見られるということ、カフェインを摂取しないと日常の生活に支障をきたすという人が少数いるという部分において、とても顕著に結果に現われました。」

研究では、コーヒーやソーダ、紅茶、チョコレートなどのカフェインが含まれる食品と、エキセドリンやノードーズなどの薬では、離脱症状に差は見られませんでした。 「薬理学的には、同じカフェインです」とグリフィス氏は言います。

米国では、毎日の平均カフェイン摂取量は約280ミリグラムで、コーヒー2杯、ソフトドリンク3〜5缶に換算されます。グリフィス氏は、約90%の人がカフェインを日常的に摂取していて、約100ミリグラムで禁断症状を引き起こすことができると述べています。

カフェインを断つべき?

ヒューズ氏とグリフィス氏の両氏は、カフェインの離脱症状が起こる可能性があるといっても、必ずしもそれが危険であるというわけではない、と語ります。

中毒は、中断や制御ができないため、カフェインを「中毒」と呼ぶことに、私はためらいを感じています。」とヒューズ氏は言います。 「ほとんどの人は、たとえ症状があってもコーヒーを飲むのをやめることができます。」

グリフィス氏も同意します。 「カフェインが肉体的依存を起こすという事実は、必ずしも根拠がなく、辞めれないということではありません」と彼は言います。「ただし、一気に断つのではなくて、少しずつデカフのコーヒーを飲む頻度を増やすようにしてみてください。一気に断つと、余計症状が悪化する傾向があります。」

グリフィス氏の発見による真のメッセージは「カフェインの離脱が、いくつかの症状の原因となる可能性があることを、みんな理解する必要があるということです。」とヒューズ氏は語ります。 「頭痛や疲労が再発した場合、カフェイン離脱の可能性があると考えるべきです。」

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