認知症と早く診断されることに伴う利点

治療方法

認知症は大勢の人々に恐れられている健康状態の一つです。

日常生活に影響を及ぼすような記憶障害があることを認めることは困難かもしれません。もし認知症に関連する、記憶等について不安があるならば、助けを求め、認知症という診断を受けることに対し否定的であることは当然でしょう。しかし、医師の忠告を受けることには隠れた利益があります。

早い段階で診断を受けることによって、質のよい支援や正しい治療法を受けやすくなる上に、将来について考えることもできます。

認知症診断によって不確実性を無くす

記憶に問題が生じている原因や、行動に変化が生じている原因がわかっていないかもしれません。これらの問題の要因としては認知症、睡眠不足、気分の落ち込み、薬の服用、その他の健康状況が挙げられます。この要因の不確実性はあなたにとっても、あなたの家族や友人にとっても悩みの種となる恐れがあります。

認知症の診断は気の滅入ることかもしれませんが、問題がどのようなもので、どのようにしてそれに対処できるかわかることで、不確実性によってもたらされた不安を解消できるかもしれません。

認知症の治療を受ける

認知症は、一つの状況のことを表すのではなく、複数の潜在する病気によって思考や記憶に問題が生じることを表します。これが、認知症の人がそれぞれ異なる問題を抱えている理由です。

治療やサービスを選択する時に役立つので、まずは問題があることを認識し、認知症を引き起こしている潜在的要因を発見することが重要となります。

また、認知症と早く診断されることで、性質によるものの認知症の要因の中には、治療ができ、完全、もしくは部分的に改善できるものがあります。このような要因にはビタミン欠乏、服用している薬物の副作用、そして脳腫瘍が含まれます。

アルツハイマー病やレビー小体認知症は次第に脳へ損傷を与えていきます。アルツハイマー病とレビー小体認知症には、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬が効果的であることがわかっています。ドネペジル、リバスティグミン、そしてガランタミンのような治療は、残っている脳細胞の働きを強めることで症状を改善します。メマンチンはアルツハイマー病に効果的な薬になります。

これらの薬は、認知症を完治させないものの、日々の生活や行動に大きな違いをもたらすでしょう。

高血圧、高コレストロール値、管理の行き届いていない糖尿病、喫煙、不健康な体重を改善することも重要です。これらの(一般的に危険因子として知られている)因子は血管性認知症を激しく進行させると共に、アルツハイマー病を悪化させるかもしれません。一般医が危険因子を判断し、必要ならば治療を勧め、診てくれるでしょう。

他の健康問題に対する薬が、思考に悪影響を及ぼさないか見直すのも良いでしょう。

認知症の場合に受けられるその他の支援

認知症の要因に対する特定の治療が有るにしても無いにしても、正確な助言と支援を受けるためには正確な診断を受けていることが重要です。認知症の人のためにも、その人の友人、家族、介護者のためにも、様々な支援や情報が提供されています。

認知症の支援には以下のものを含みます。

・社会福祉、デイ・センター、一時療養センター、地域の精神保健チーム、音声言語療法士、栄養士、作業療法士等、家や地域で受けられる支援の情報。
・財務や将来設計に関する助言。
・金銭的な利益や支援。
・運転に関する助言。
・情報提供と支援を行う団体。

その他の健康状態に対する助言と支援

その他の健康の問題を治療する場合、医師や看護師が認知症を引き起こす問題を抱えていることを知っているのならば、多少楽になるでしょう。医師や看護師が、患者に理解できるような方法で時間をかけて説明する、(いつ薬を服用しなくてはならないか覚えていられるように薬整理箱を使うというような)薬を安全に服用できる方法を処置する、そしてその他の理由によって入院しなくてはならない時に理解を示すと共に通常以上の支援を提供する、等の対処をとってくれるからです。

認知症の研究と提供サービスの改善

正しい診断を受けることは、認知症の研究と認知症の要因をより理解することにおいても重要になります。どれだけ認知症の要因が重大で一般的であるかの認識を広めることによって、地域としても国全体としても、人々に必要なサービスを提供できるよう考えていくことができるでしょう。

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